神奈川県のがん統計


年齢調整とは?

年齢調整とは、年齢の影響を統計的手法で取り除くことです。

神奈川県の年齢調整り患率の推移(1995-2015)

年齢調整り患率(男性)


出典:神奈川県悪性新生物登録事業年報(第41報・第42報)

年齢調整り患率(女性)


出典:神奈川県悪性新生物登録事業年報(第41報・第42報)

神奈川県の年齢調整死亡率の推移(1995-2017)

年齢調整死亡率(男性)


出典:国立がん研究センターがん情報サービス
【がん登録・統計】グラフデータベースより計算
http://gdb.ganjoho.jp/graph_db/gdb4?dataType=20

年齢調整死亡率(女性)


出典:国立がん研究センターがん情報サービス
【がん登録・統計】グラフデータベースより計算
http://gdb.ganjoho.jp/graph_db/gdb4?dataType=20

◯年齢調整り患率と死亡率(男性)

神奈川県、全国ともに胃がん年齢調整り患率は緩やかな減少し、死亡率についてはさらに減少傾向が強い。理由としては、塩分摂取や喫煙などの生活習慣やピロリ菌対策などの改善が考えられる。

高齢化の影響から前立腺のり患の増加がみられる。

肺がんは、り患で増加傾向、死亡では減少傾向を認める。

全部位のり患率は上昇し、死亡率は下降しており、がんと診断されたサバイバーが増加していることを示唆している。

◯年齢調整り患率と死亡率(女性)

神奈川県、全国ともに乳がん年齢調整り患率は増加傾向、年齢調整死亡率も緩やかな増加傾向である。近年、乳がんは女性を取り巻く生活環境の変化でり患しやすくなってきていることが示唆される。

神奈川県では乳がん・子宮頸がんは、り患・死亡ともに増加傾向がみられる。


相対生存率とは?

実測生存率は、死因に関係なく全ての死亡を計算に含めた生存率です。この中には、がん以外の死因による死亡も含まれます。がん以外の病気の影響を補正する方法としてがん登録では相対生存率を用います。相対生存率は対象者と同じ特性(性、年齢、暦年、地域など)をもつ一般集団の生存率を見積もって(期待生存率)、実測生存率をそれで除して求めます。死因に関する正確な情報がない場合にも用いることができます。

神奈川県の5年相対生存率の推移(2006-2012)

5年相対生存率(男性)


出典:神奈川県悪性新生物登録事業年報(第41報・第42報)

5年相対生存率(女性)


出典:神奈川県悪性新生物登録事業年報(第41報・第42報)


◯5年相対生存率

院内がん登録、病院のHP、臨床研究など 生存率を計算したものをよくみかけます。すべての生存率値があたかも治療成績のようにとらえられがちですが、実際は対象集団の年齢や性別、進行度、併存症、手術症例のみか否かなどの影響を受けています。また、対象数が少ないと偶然による影響を受けます。

一体、どの生存率を参考にしたらいいのでしょうか?

住民ベースのがん登録の部位別の生存率はその地域住民集団の代表値であり平均予後を示すので、その地域におけるがん対策の効果の客観的指標となります。本サイトの相対生存率ががん対策を評価する上でもとても重要な指標となります。