群馬県施設別生存率 渋川医療センター 2010-2011年症例


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大腸がん

全体数が52例で少なく、全体の5年生存率が30.5%ではあるが、病期毎の生存率が算出されておらず、また治癒切除例が何例あるかもわからず、非観血的治療が約8割弱を占めているが、治療法が不明にて生存率の評価はできないと考える。肝予備能により治療法の選択がなされるので、病期がI、II期でも肝機能さえ悪ければ、治癒切除は困難であり、非観血的治療では5年生存は得られないと考える。おそらく5年生存例のほとんどは治癒切除症例であると考えられる。肝がんの治療成績を評価する上では、病期のみではなく、Child分類と治療法を考慮した解析が望ましい。

肺がん

当院の肺癌集計432例の5年生存率は31.8%であり、全国集計の36.3%に比べて成績が一見悪い。これは生存率良好なI、II期の占める割合に大きく左右される。ちなみに当院では肺癌全体の245/432;57%がIII、IV期の進行肺癌であり、また高齢者が多い当院では例I、3/432;33%がIV期症例でありこの点が大きく生存率を下げている原因であろう。従ってこのようなデータを出すときには必ず治療別の成績も出す必要があると考える。おそらく根治術が行われたI、II期の肺癌の5年生存率は満足の行く結果が得られていると考える。現在分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など症例によっては極めて有効な薬剤が日進月歩で誕生し臨床の場で用いられている。今後は手術+これら薬剤による治療成績も明らかになって来ると思われる。

乳がん

当院の乳癌症例の5年生存率は88.0%で全国の87.9%とほぼ同率であるが、当院では治癒が困難なIV期症例が7-9/77(10%以上)あったのに対して全国ではIV期症例は5.0%と当院の半分以下であったことを加味すると当院の結果は全国より良好といえる。

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