地域がん登録全国協議会の概要【活動目的・内容】
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肝がんの罹患率を市区町村別に比較し、予防対策の実施

分野 1.がん対策・企画(1次予防),4.がん統計
活動時期 1992年~1993年
活動地域 大阪府
活動主体 大阪府立成人病センター、大阪府赤十字血液センター
 
背景 大阪府は全国で最も肝がん死亡率の高い府県の1つであり、しかも府内にも地域差があることが推測されていた。
主な活動内容 1. 大阪府内の肝がん多発地域を特定する。 2. 大阪府内の肝がん罹患率の地理的な差異は何に起因するのかを明らかにする。
成果 1. 1985年-89年の大阪府内の肝がん罹患率を大阪府がん登録資料を活用して市区町村別に詳細に分析したところ、大阪市内、中河内地域、泉州地域の一部で極めて高い市区町が見出された。 2. 市区町村別の肝がん罹患率は、市区町村別の献血者におけるC型肝炎ウイルス(HCV)保有率と強い相関が認められたことから、大阪で発生する肝がんの地理的な分布は、一般住民でのHCV保有率の差で説明し得ることがわかった。
導入および確認された制度・法律・学説 1. 高感染地域(大阪市内、大阪府M町)では、住民検診にHCV抗体検査が導入され、一般住民の中にいるHCV保有者を早期に見出し、適切な医療につなぐ対策が講じられるようになった。 2. 大阪府の肝がん対策の要はHCV感染者の発がん防止にあることがわかり、これに肝疾患の研究費や対策費を集中することが効率的であることが判明した。
主要文献 1. Tanaka H, Tsukuma H. Hepatitis C virus. In J. Tooze (eds.) Cancer Surveys Vol.33: Infections and Human Cancer. 1998, pp213-235 COLD SPRINGER LABORATORY PRESS. New York. 2. 田中英夫、津熊秀明:日本の肝がんの特徴−男女別にみた疫学的特徴−.日本肝臓学会編.肝がん白書平成11 年度.p10-17.1999 年 3. Tanaka H, Hiyama T, Okubo Y, Kitada A, Fujimoto I. Primary liver cancer incidence rates related to hepatitis C virus infection: a correlational study in Osaka, Japan. Cancer Causes & Control.1994; 5; 61-65.
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